2020年11月22日日曜日

DXとIT化の違いを自分なりに定義してみる 『ISO通信』 2020年11月号 vol.53

 DX、デジタルトランスフォーメーション、DT? DX?

頭の中でモヤモヤしながら、放置していたことを調べてみました。
Digital Transformationなのに、なぜ「DT」でなく「DX」なのか。
接頭語のtransは、across(~の向こうに、横切って、十字の)と同義であるところからきているのですね。

TRANSEARCHという名前の会社に10年も務めていながら、transがXで表されることを知らなかったなんて、まったくもってお恥ずかしい。チコちゃんに叱られそうです。
ちなみにTRANSEARCHはtransferとsearchを掛け合わせてつくった社名です。(これからは「Xsearch」と略そうかと思いましたが、違う会社になってしまいそうなので止めておきます。)

知人のコンサルタントが「ハンコを無くすことはDXではなく、ただのIT化です。DXが起こるとハンコではなく、人間がいなくなってしまうことがあります」と言っていました。

なるほど、クラウド上の契約書に電子署名する行為は「押印作業」の代わりにInformation Technologyを利用するだけなので「IT化」と表現する方がよさそうです。
2000年のゴールドマンサックス社には500人以上のトレーダーがいましたが、AIの登場でトレーダーは2~3人に減り、代わりに200人のエンジニアが働くことになったそうです。「DXが起こると人がいなくなる」で思い出したのがこの件ですが、調べてみると2017年のニュースでした。これからもドンドンそんなことが起こりそうです。

DXとIT化の違いが曖昧になることがあるのですが、DXの概念は幅が広く、定義も一様ではないようです。経済産業省の資料やIT技術を解説するWEBサイトを見て、自分なりにまとめると「企業や組織がデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや価値提供の方法を変革すること」くらいになりそうです。
ハンコを電子化したり、会議をオンライン化したりするなどのIT化は手段の効率化であり、DXでは「ITを用いて、ビジネスモデルを変革していく」ことになります。しかし、IT化についていくだけで精一杯というのが私の現状です。

「人間がいなくなるようなDXは自分の業界では起きて欲しくないなあ」という本音もありますが、願望だけを頼りにしていたら、生きていけません。
5年前は「ITのことなんてサッパリ分からん」で通すつもりだったのですが「生涯現役」で行きたいので考え方を改めました。というより、ITから逃げ切ることはできないと気づき、諦めてやる気のスイッチを入れた感じです。

しかし勉強してみたら、ほんの少しだけ分かるようになり、理解できると楽しいと感じることもあります。
51歳の自分にもまだ成長余地があったとポジティブに考え、DXで消える人にならないようにしたいと思います。