2011年から2021年までの10年間で、65歳以上の就業者数が341万人も増えています。
総務省統計局が今年の2月に公開した「労働力調査」の資料を見る機会があり、シニア世代の就業者数が大きく伸びていることに驚きました。
労働力調査の中に「年齢階級別就業者数の推移」という表があり、2011年と2021年を比較すると以下の数字になります。
2011年 → 2021年
15歳~24歳: 481万人→ 557万人 (76万人 増)
25歳~34歳: 1,217万人→ 1,098万人 (119万人 減)
35歳~44歳: 1,503万人→ 1,320万人 (183万人 減)
45歳~54歳: 1,286万人→ 1,610万人 (324万人 増)
55歳~64歳: 1,235万人→ 1,170万人 (65万人 減)
65歳以上 : 571万人 → 912万人 (341万人 増)
合 計 : 6,293万人→6,667万人 (374万人
増)
(出所:総務省統計局 「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約 表1」)
上記の数字を見ると15~24歳、45~54歳、65歳以上の階層で就業者数が増えています。
「労働力調査(基本集計)」の参考資料に年齢階級別の総人口も記載されていました。
2011年 → 2021年
15歳~24歳: 1,248万人→1,194万人 (54万人 減)
25歳~34歳: 1,544万人→1,277 万人(267万人 減)
35歳~44歳: 1,893万人→1,545万人 (348万人 減)
45歳~54歳: 1,567万人→1,873万人 (306万人 増)
55歳~64歳: 1,898万人→1,520万人 (378万人 減)
65歳以上 : 2,967万人→3,635万人 (668万人
増)
合計 1億1117万人→1億1044万人 ( 73万人
減)
(出所:総務省統計局 「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年) 参考表」
65歳以上の人口の増えっぷりがスゴイ!就業者数も増えるわけです。
45歳から54歳の層でも人口が増えていますが、これは団塊ジュニアの世代がその年齢になった影響であり、この年齢層も人口増が就業者数の増加につながっています。
しかし、15歳~24歳の層では総人口は減少しているのに就業者数は増加しています。考えられる理由として、外国人の増加がありそうです。
出入国在留管理庁の資料によると2010年に209万人だった在留外国人の数は、コロナによる影響が出る前の2019年では293万人に増えています。また、みずほ総研(現 みずほリサーチ&テクノロジーズ)が2020年9月9日に公開した『みずほインサイト』によると外国人の人口に関して“最も多い年齢階級は20~24歳であり、また20歳から39歳までで全体の54%を占めている。(~中略~)外国人の増加は日本で進行する人口減少だけでなく少子高齢化による若年労働力の減少も緩和している。”とあります。
増加した就労者数76万人の内訳を示す資料を探すことはできませんでしたが、外国人の増加が大きく関係していそうです。
高齢者就業に話題を戻しますが、今週は60歳前後のかたと面談する機会が多くありました。その年齢になって「新たな職場でもっと活躍したい」と考えている方々は、みなさん元気でチャレンジ精神も旺盛です。年齢が理由で役職を離れた人が多く、今の職場で力を持て余している様子を聞くと本当にもったいないと感じました。