2019年9月28日土曜日

インターンシップには「かばん持ち」が最適?『ISO通信』 2019年月9号 vol.39

とある懇親会で大学生と会話する機会がありました。
「就職先として、大企業も選択肢に入りますか?」
と質問すると
「ベンチャーしか考えていません。ハッキリ言って大企業には魅力を感じません」
と、即答でした。ベンチャー企業が主催したセミナーの後の懇親会だったので、想定内の答えです。
「大学の友だちにも、ベンチャー志向の人が多いのですか」と聞いてみると
「自分の周りには結構いますけど、全体としては少数派かもしれません」
との答えでした。 
 
まったく別な懇親会で、小規模企業でインターンをしている大学生と会話しました。
その人は慶応大学の学生で、インターン先は社員数が10名程度の企業です。
「この会社に就職することもありそうですか」と質問すると
「いやぁ、それはちょっと」
と口を濁しました。するとその会社の社長が、すっと寄って来て
「うちみたいなところに、こんな優秀な学生が来るわけないじゃないですか」
と割って入ってきたので
「でも、インターンに来るくらいだから、興味はあるわけですよね」
と、学生の方を見て聞いてみました。
 
 (学生)「小さな会社の方が、実務を深く体験できると聞いて、この会社のインターンに参加させてもらいました。実際、仕事は面白そうなので、将来的には『あり』かもしれません」
(社長)「そこなんですよ、私の狙いは。卒業してすぐにうちに来てくれるとは思っていません。でも大企業で2~3年働いて、仕事が面白くないなあ、と感じた時に、うちに来てくれたらいいんです。」
(私)「なるほど。いい作戦ですね。(学生の方に顔を向け)どうですか、2~3年後は?」
(学生)「2~3年で自信がついていればいいのですが、お荷物になってしまいそうです」
(社長)「大丈夫。君なら、うちに来て1年もすれば、戦力になれるよ。2週間、かばん持ちやってもらったので、それくらいは分かる」
 その言葉を聞いて、再び“なるほど”と思いました。
その社長が、実際にかばんを持ってもらったか否かは別にして、学生が社長の行動のどこに興味を持ち、どんな質問をしたのかによって、将来の活躍度合を判断することができそうです。
 
大企業の場合、インターンシップにたくさんの学生が応募して来るので、一人一人に長期のインターンを実施することは困難です。このため「1dayインターンシップ」を実施するのですが、1日だけでは会社説明会と大きな違いはありません。

中小企業にとってもインターンの受け入れは大きな負担ですが、優秀な学生との接点にもなるため、長期のインターンを実施するのは、中小企業に多いようです。前述の社長のように、学生と一緒に行動する時間をたっぷりとれるなら、働くことの楽しさや厳しさを伝えることができるでしょう。
 
さて、中小企業の社長に経営幹部を紹介する場合、社長と候補者の相性は非常に重要となります。スキルやコミュニケーション力に問題がないのに「どうも相性が悪い気がする」という理由で、選考が進まないケースがあります。
逆に、転職相談を受ける場面では「入社した当初は社長との相性もよかったのですが、仕事を進めるうちに社長に対する印象が変わってきました」と告げられることがあります。
この場合、採用段階では相性よりスキルを重視した社長が、入社後に“やっぱり相性の悪さが気になってきた”と考えている可能性もあります。
中途採用において、候補者が社長のかばん持ちをする機会があれば、ミスマッチを解消できるのではないか、と思いました。しかし、候補者の段階の人を商談に同席させたりすることは、実際には難しいかもしれません。

当社には、企業カルチャーや上司の考え方との相性をチェックするツールもありますので、ご連絡をお待ちしております。(と、たまには宣伝も。)

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