とある懇親会で大学生と会話する機会がありました。 「就職先として、大企業も選択肢に入りますか?」 と質問すると 「ベンチャーしか考えていません。ハッキリ言って大企業には魅力を感じません」 と、即答でした。ベンチャー企業が主催したセミナーの後の懇親会だったので、想定内の答えです。 「大学の友だちにも、ベンチャー志向の人が多いのですか」と聞いてみると 「自分の周りには結構いますけど、全体としては少数派かもしれません」 との答えでした。 まったく別な懇親会で、小規模企業でインターンをしている大学生と会話しました。 その人は慶応大学の学生で、インターン先は社員数が10名程度の企業です。 「この会社に就職することもありそうですか」と質問すると 「いやぁ、それはちょっと」 と口を濁しました。するとその会社の社長が、すっと寄って来て 「うちみたいなところに、こんな優秀な学生が来るわけないじゃないですか」 と割って入ってきたので 「でも、インターンに来るくらいだから、興味はあるわけですよね」 と、学生の方を見て聞いてみました。 (学生)「小さな会社の方が、実務を深く体験できると聞いて、この会社のインターンに参加させてもらいました。実際、仕事は面白そうなので、将来的には『あり』かもしれません」 (社長)「そこなんですよ、私の狙いは。卒業してすぐにうちに来てくれるとは思っていません。でも大企業で2~3年働いて、仕事が面白くないなあ、と感じた時に、うちに来てくれたらいいんです。」 (私)「なるほど。いい作戦ですね。(学生の方に顔を向け)どうですか、2~3年後は?」 (学生)「2~3年で自信がついていればいいのですが、お荷物になってしまいそうです」 (社長)「大丈夫。君なら、うちに来て1年もすれば、戦力になれるよ。2週間、かばん持ちやってもらったので、それくらいは分かる」 その言葉を聞いて、再び“なるほど”と思いました。 その社長が、実際にかばんを持ってもらったか否かは別にして、学生が社長の行動のどこに興味を持ち、どんな質問をしたのかによって、将来の活躍度合を判断することができそうです。
大企業の場合、インターンシップにたくさんの学生が応募して来るので、一人一人に長期のインターンを実施することは困難です。このため「1dayインターンシップ」を実施するのですが、1日だけでは会社説明会と大きな違いはありません。 中小企業にとってもインターンの受け入れは大きな負担ですが、優秀な学生との接点にもなるため、長期のインターンを実施するのは、中小企業に多いようです。前述の社長のように、学生と一緒に行動する時間をたっぷりとれるなら、働くことの楽しさや厳しさを伝えることができるでしょう。 さて、中小企業の社長に経営幹部を紹介する場合、社長と候補者の相性は非常に重要となります。スキルやコミュニケーション力に問題がないのに「どうも相性が悪い気がする」という理由で、選考が進まないケースがあります。 逆に、転職相談を受ける場面では「入社した当初は社長との相性もよかったのですが、仕事を進めるうちに社長に対する印象が変わってきました」と告げられることがあります。 この場合、採用段階では相性よりスキルを重視した社長が、入社後に“やっぱり相性の悪さが気になってきた”と考えている可能性もあります。 中途採用において、候補者が社長のかばん持ちをする機会があれば、ミスマッチを解消できるのではないか、と思いました。しかし、候補者の段階の人を商談に同席させたりすることは、実際には難しいかもしれません。 当社には、企業カルチャーや上司の考え方との相性をチェックするツールもありますので、ご連絡をお待ちしております。(と、たまには宣伝も。)
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