「ごめん、仕事の予定が入っているので、その日は行けない」
飲み会やパーティーに誘われたとき、そんな風に断ったことが誰にでもあるでしょう。
「ごめん、その飲み会よりも仕事の方が大切だから、今回はパス」
もし、このような答え方をしたら、次回から誘ってもらえなくなりそうです。
では、次のシチュエーションではどうでしょう?
楽しみにしていたコンサートが延期になり、デートの約束の日と重なってしまった。コンサートを優先すると
「ボクよりもジャニーズのコンサートが大切なわけ?」
と怒る人がいるかもしれません。もちろん、ジャニーズじゃなくて女性アイドルでも交響曲でも構いません。自分のことをボクと呼んだ人が女性かもしれない、と想像してみるのも頭の体操になります。
さて、デート対コンサートは、プライベート対プライベートです。仕事を理由に断るときよりも、デートの相手を納得させることの難易度は上がりそうです。
プライベート対仕事の場合、最近はプライベート優先派が多いようで、2018年の『子供・若者白書』(内閣府の統計資料)によると「仕事よりも家庭やプライベートを重視する」人の割合は63.7%でした。これは16歳~29歳までの若者を対象とした調査で、2011年に実施した同様の調査では、プライベートを重視すると答えた人の割合は52.9%だったそうです。
また、2018年の白書には「あなたは主として、何のために、仕事をするのですか」という質問もあり、選択肢と回答率は以下の通りでした。
「収入を得るため」84.6%
「仕事を通して達成感や生きがいを得るため」15.8%
「自分の能力を発揮するため」15.7%
「働くのがあたりまえだから」14.8%
「人の役に立つため」13.6%
「社会的な地位を得るため」7.0%
「親や兄弟を養うため」4.6%
「その他」1.3%
この質問に対しては選択肢の中から二つ選べることになっているので、全員が二つの選択肢にチェックを入れるとパーセンテージの合計は200%になるはずです。しかし、上記の数字を合計すると157.4%なので、「収入を得るため」以外に理由がないと考えた人が相当数いることになります。
ニッポンの若者よ、そんなことでいいのか!
と言いたくなる人もいると思いますが、20代の頃の私も「収入を得るため」に働き、仕事よりもプライベートを優先していました。
白書を離れて、最初の話題に戻しますが、仕事、デート、コンサート、どれを選ぶのも個人の自由です。ただし、仕事をしないと上司に叱られるという理由で仕事を選んだ場合は自らの選択とは言えません。
現在の私も「仕事よりも家庭やプライベート重視」派ですが、実際の行動はプライベートよりも仕事を優先するケースが多くなっています。
幸いなことに「上司に叱られたくないから」が理由ではなく、お客さんが喜んでくれることが、プライベートな遊びよりも楽しいと感じるときに、仕事を優先しています。
もちろん、それだけが理由ではなく「お客さんに迷惑をかけられないから」「ここで頑張らないと他社に仕事を奪われるから」といったケースもあります。
プライベートを優先するときは「遊び」を選択した自覚があるので、後ろめたさを感じることはないのですが、想定以上に飲み過ぎて二日酔いで苦しんでいるときは「あー、またやってしまった」と同じ反省を繰り返しています。
次に、大人数で一か所に集まって飲める日がきたら「今日、とことん飲むのは、自らの選択だ」と割り切って楽しみたいと思います。翌日、ゆっくり休める日に。