2021年5月29日土曜日

自分でコントロールできることにフォーカスしよう 『ISO通信』 2021年5月号 vol.59

 「『ユーミンの都市伝説』が本当かウソか知りませんが、これはもう絶対に真似るべきです。優秀なクリエイターはどこにいてもネタを拾う努力をしています」

この言葉をテレビやラジオで聞いたのか、WEBサイトなどで読んだのか忘れてしまいましたが、久しぶりに実践の機会がありました。
『ユーミンの都市伝説』とは「ユーミン(松任谷由実さん)は、深夜のファミリーレストランで女子高生の会話にこっそり耳を傾け、それをヒントに作詞をしている」というもので、真偽のほどは存じません。

緊急事態宣言の期間中は、通勤電車に乗る機会も少ないのですが、先日、20代前半くらいの男性の会話が聞こえてきました。名前を知らない二人なので、AさんとBさんの会話形式で再現してみます。

A:デジタル庁の職員募集に、けっこう優秀な人が集まってるっぽいね。
B:えっ。デジタル庁ってもうあるんだっけ?
A:いや、まだ準備中だけど、人材募集してるよ。
B:優秀な人が集まってるの?
A:ツイッターで見てるだけなんだけど、こんな優秀な人が応募するんだって感じの人が結構いた。
B:ふーん。でも日本のITってダメダメってイメージあるよね。予防接種の予約とか。
A:いや、だからこそ伸びしろあると思わない?日本って、こんなにITが遅れてるのに、そこそこいい国じゃん。デジタル庁だけじゃないけど、ITが機能したら、もっと発展すると思うんだよね。
B: ふーん。デジタル庁に本気で期待してんの?
A:うーん、50パーくらい。

この会話を聞きながら、日本のことを「衰退途上国」と呼んでいる人のことを思い出しました。感染者の数を報告するのにFAXが使われていたり、感染予防ワクチンの接種が思うように進まなかったりする状況に、日本のことを「衰退途上国」と呼びたくなる人の気持ちも分かります。しかし「伸びしろのある国」と思っていた方が楽しく過ごせそうです。

さて、今回、電車の中で拾ったネタはこれだけの話ですが、在宅勤務でずっと家の中にいると、心の動きが緩慢になるように感じています。ここ数カ月は『ISO通信』を書くネタに困ることが多くなりました。以前は飲み会での友人との会話やセミナー会場で会った人との雑談などがなんらかのヒントになっていました。しかし最近は飲み会もなく、セミナーもオンライン形式ばかりで、隣り合って座った人と雑談するような機会もありません。そろそろ自粛モードを解除してアクティブに動きだしたいところですが、まだしばらくは我慢の時期でしょうか。

ワクチンの接種が進んでいる国の様子を見ると羨ましくなって、日本の状態にイライラすることもありますが、政府の対応を批判するより「伸びしろのある国」と思って待つ方が心は落ち着きます。
そういえば、先週のオンラインセミナーで「自分でコントロールできることにフォーカスしよう。コントロールできないことに悩んでも仕方がない」と教えてもらいました。
ワクチンの予約システム構築はデジタル庁に期待することにして、自分のやりたいことやコントロールできそうなことにフォーカスしょうと思います。