忘年会や新年会などで、12月と1月は人と会う機会が増えます。
「ISO(イソ)通信、続いてんじゃん」
と言ってくれた人が何人かいました。
まだ半年なので「続いている」と胸を張って言えるような状況ではありません。そして「続いてんじゃん」と口語調で言ってくれる人には「うん、まあ一応」などと曖昧な返事しか出来ず、別な話題に移ってしまいました。
「ISO通信、続いてますね」と言ってくれた人には「読んでくれているんですか。ありがとうございます」と話題をつなぐことができるのですが、口語調で言われたときと反応が違うのは、その人と私との関係性の違いに起因しています。
「続いてんじゃん」と言ってくれたのは、学生時代からの友達で周囲には他の友人もいました。
『ISO通信』で書いている内容は、転職相談の仕事を通じて教えてもらったことや感じたことです。
成功している人の行動特性や思考パターンを紹介することが誰かの役に立つと思って書いているのですが、その飲み会で語るには暑苦しい話題であると感じて、「まあ、一応」と流してしまったわけです。
優秀で尊敬すべき人の行動特性や思考パターンを文章にして紹介すると、その内容が自分の頭の中に定着するという効果もあります。しかし実践や行動が伴わず、知っているだけでは意味がないと焦ることもあります。
仕事上の交流がある人には
「実践面ではまだまだですが、少しずつでも頑張ります」
と言うことができます。しかし学生時代からの友達に
「実際の行動は全然ダメなんだけど、少しずつでも頑張ってみるよ」
と言うのは「こっぱずかしい」と感じてしまいます。むしろ
「いやー、うちは小さな会社だから、『真面目に頑張ってます』的なことを自分で言わないと、すぐに淘汰されちゃうんだよ」
などと言ってしまうかもしれません。
そして「少しずつでも頑張ります」という自分も「すぐに淘汰されちゃうんだよ」と言い訳する自分も、どちらも本音であるということに気づきました。
会社や組織においても私と同じような気持ちを持っている人がいるかもしれません。
上司との個別面談や二人だけで飲んでいるときには、仕事に対する熱い思いや意欲を語るのに、同僚や後輩に対しては、クールに仕事をこなしているように見せたいと考える人もいるのではないでしょうか。例えば、社長に対しては「私も、いつか社長になりたいと思っています」と言うことはできても、同期の社員や先輩・後輩にそれを宣言するのは勇気のいることです。
最近は、社長や経営幹部を目指す人が減ってきているようですが、経営者の視点で考えないと仕事は楽しくなりません。
私は大企業に勤めていた頃、上司から次のように言われたことがあります。
「俺はなあ、社長にはなれなくても、社長の気持ちにはなれるんだよ。お前は社長の気持ちになって仕事をしたことがあるのか!」
それはかなり厳しい口調でした。当時の私は、自分の職責を果たすことについては一生懸命でしたが、社長の気持ちになったことはありませんでした。そもそも「仕事は楽しいものではなく、つらくても結果を出さなければいけないもの」と考えていました。
その後の心境の変化については、別の機会に触れたいと思いますが、情報発信してみるといろいろな反響があって、仕事を楽しいと感じる場面も増えてきました。
初めは小さなネットワークの中で発言することにも勇気がいります。
今でも、発信の場を拡大するたびに「えーい、ままよ」と言う古語を思い出しながら送信ボタンをクリックしていますが、これからも発信を続け行動の数も増やしたいと思っています。
殻を破りたがっているのに、はじめの一歩を踏み出せていない人が近くにいたら「誰でも最初はそうなんだよ」とお伝え下さい。