2017年9月24日日曜日

言い出さなきゃよかった…と思った時期もあったけど(2017年7月号vol.13)

お祭り的なイベントを企画して無事に終了することができました。

「アルティメット」というスポーツと出会って30年になります。
アルティメットは、フライングディスク(商標の「フリスビー」が有名)を使って行う競技で、7人対7人のチームで競うフィールドスポーツです。
アメリカ発祥のこのスポーツは、次に米国でオリンピックが開催されるときには、新種目として採用されるかもしれない、とも言われていますが、その話はまた別な機会に。

明治大学のフライングディスクチームが40周年を迎えたことを記念して
「オール明治対オール上智で試合をしませんか」
と明治大学のOBに提案してみました。ちなみに、母校・上智大学のフライングディスクチームは、全日本選手権や学生選手権で優勝したこともある名門チームです。

“オール上智とオール明治で試合をしたら楽しいかもしれない”

思いつきとしてはいいように感じました。飲み会でその話をすると「いいじゃん」と言ってくれる人が何人かいて「その企画には興味がありません」と発言した人はいませんでした。
当たり前ですね。飲み会の席でそんなトゲのあることを言う必要はありません。

それなりの数の「いいんじゃん」という声だけが耳に届いたので、ちょっとその気になりました。「興味がない」という声が聞こえてくるのは、かなり後のことです。

言い出しっぺになったら準備がメンドクサイな、という気持ちが強く、しばらく忘れたふりをしていたのですが、あるとき「あの話、どうなったの?」と言われてやることにしました。アイディアを言葉にしたくせに結局なにもしない、ということがよくあったので、今回は行動してみようと思ったのです。


準備を始めて一番ドキドキしたことは、参加者が少なかったらどうしよう、ということでした。明治側は夕方から40周年の式典があるので、ある程度の人数は集まるだろうと聞いていました。
一方で、上智側の人数はまったく読めません。同世代の7~8人から参加の連絡があったのですが、後が続きませんでした。学生に動員をかければ、10人や20人は出してもらえると思っていましたが、強制はしたくないと考えていました。そもそも、学生との接点が少ないので、気軽に頼める相手もいません。

発案時に「いいじゃん」「やろうよ」と言ってくれていた人が、仕事や家庭の事情で参加できないことになり
“開催宣言を撤回してしまおうか”
と何度も思いました。

そんなときに学生のキャプテンから「全員(70人)で参加してもいいですか」とのメールが入ってきました。嬉しいと同時に「助かった」と思いました。
キャプテンが、面識のないオジサンOBの私に連絡してくるのは勇気がいったと思いますが、自発的に参加したいと言ってくれたのでとても嬉しくなりました。

やがて20代、30代のOBOGからも参加の連絡があり、当日は100人近い人数で試合を楽しむことができました。
(明治側は40~50人くらい。結果は11対12で惜敗でした。)

仕事が忙しいのに「職場で夏祭りをやりましょう」と言い出せば、準備と残業で帰宅時間が遅くなることは必至です。
お祭りではなく、新規事業の提案や業務プロセスの改革を言い出せば、結果を出すことも求められます。

言い出しっぺになるのは勇気のいることです。
「面倒くさいから黙っていよう」
「いい考えだと思うけど、提案するのは明日にしよう」
そんな風に思ってしまうこともよくあるのですが、実行してみると新鮮な発見がたくさんあります。また、思いもしなかった人が応援してくれたり、自分だけでは考えもつかない提案をもらったりと、言い出しっぺだけが経験できることもたくさんあります。

企画が失敗に終わるとショックも大きいのですが、お蔵入りしたアイディアからは何も生まれないので、行動してはいかがでしょうか。